永久のほほえみを前にして
先週東京国立博物館の特別展を見に行った
日韓国交正常化50周年記念 特別展
「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」
2体の仏さまが相対して展示してあった
あの独特な姿
左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐り、
右手を頬に添えて思案している
このような坐り方を半跏といい、物思いにふける(思惟)ことが
その名の由来になっています
ガラスケースに囲まれてぐるりと見られる
後ろ姿も
ゆっくり、じっくりお顔を見ていた
写真に使われる角度は本当に美しく見ていて飽きない
しなやかに伸びた腕や指先
微笑んでいるようなわずかな口角の角度
魅入られてしまう
長い月日を過ごしてきた仏さま
はるか昔 この仏さまを初めて見た人々はどんな思いで
見ていたのだろうか
弥勒菩薩はゴータマの入滅後56億7千万年後の未来に
この世界に現われ悟りを開き、多くの人々を救済するという
途方もない時間の感覚
そして長い間仏さまの前で祈りをささげた人々を微笑んで
見続け、その歴史を語ることなく見てきた
色々な思いが溢れてくるほど弥勒菩薩は悲しいほど美しかった